店舗の入口にある軒先テントや、雨よけのための庇テント・通路テント。生地を新しく張り替えるとき、色や生地の種類だけでなく、
実は「どのようにフレームへ固定するか」も仕上がりを左右する大切なポイントです。

代表的な固定方法が、直巻きと巻き込み式です。どちらもテント生地をフレームに固定する方法ですが、見た目、コスト、メンテナンス性、向いている現場が少しずつ異なります。

店舗の入り口に取り付けられた庇テントの写真

直巻きの施工例。ハトメとロープが見える、テントらしい収まりです。

この記事でわかること

  • 直巻きは、ハトメとロープが見える実用的な納まりです。
  • 巻き込み式は、固定部分を内側に納めるため、すっきりした印象になりやすい方法です。
  • 直巻きはコストを抑えやすく、メンテナンスもしやすい特徴があります。
  • 巻き込み式は、店舗入口など外観の印象を重視する場所に向いています。
  • 大型の上屋テントでは、面積・風の影響・予算を見ながら判断します。

庇テントの固定方法は仕上がりに影響する

軒先テントや庇テントは、建物の入口まわりに設置されることが多く、雨よけ・日よけとしての機能だけでなく、店舗や建物の印象にも関わります。

張替えのご相談では、生地の色や柄、ロゴ入れの有無に目が向きやすいですが、実際には「生地をどう固定するか」も大切です。
固定方法によって、正面から見たときの印象、ハトメやロープの見え方、メンテナンスのしやすさが変わります。

ハトメとロープが見える「直巻き」

直巻きは、テント生地の端にハトメを付け、ロープを通してフレームのパイプへ直接固定する方法です。

直巻きの写真①

ロープを外側から確認しやすい直巻き。

店舗の入り口に取り付けられた庇テントの写真

店舗軒先でもよく使われる納まりです。

直巻きの写真③

大型の上屋テントでも採用されます。

項目直巻きの特徴
メリット費用を抑えやすい
ロープの状態を外側から確認しやすく、メンテナンスがしやすい
鉄骨(フレーム)の状態も一緒に確認しやすい
デメリットハトメやロープが外から見えるため、カジュアルな印象になりやすい
ロープの張り具合や結び方によって、納まりの粗さが見た目に出やすい
向いている現場予算を抑えたい張替え、広い上屋テント、実用性を重視する現場。

すっきり見せやすい「巻き込み式」

巻き込み式は、テント生地の端部をフレーム側へ巻き込むように納め、固定部分を内側や裏側へ見せにくくする方法です。
正面から見たときにロープや固定部分が目立ちにくいため、軒先をすっきり見せたい店舗に向いています。

巻き込み式の写真

巻き込み式の裏側。固定部分が内側に納まります。

正面から見た巻き込み式の庇テント

正面側をすっきり見せたい店舗に向いています。

項目巻き込み式の特徴
メリット固定部分が目立たず、見た目がすっきりする
鉄骨(フレーム)との隙間が目立ちにくく、上品な印象に仕上がりやすい
デメリット縫製や納まりの加工に手間がかかり、直巻きより費用が上がりやすい
鉄骨(フレーム)の状態を外から確認しにくい
巻き込んだ部分に水分が溜まりやすく、状態によっては鉄骨のサビにつながる場合がある
向いている現場カフェ、飲食店、物販店など、外観の印象を重視する軒先。

直巻きと巻き込み式の違いを比較

比較項目直巻き巻き込み式
固定方法ハトメにロープを通し、パイプへ直接固定。生地端部を巻き込むように納め、内側・裏側で固定。
見た目ハトメとロープが見える。固定部分が目立ちにくい。
印象カジュアル、実用的、テントらしい。すっきり、上品、スマート。
コスト比較的抑えやすい。加工手間により高くなる場合がある。
向いている用途大型テント、通路テント、予算重視の張替え。店舗入口、デザイン重視の軒先テント。

それぞれの仕様のポイント

工場の搬入口に設置された大型の固定式上屋テントのイラスト(ハトメとロープで直巻き固定)

通路テントや面積の大きな上屋テントなら、直巻きが候補になります。理由は、生地面積が広くコストや張り替えのしやすさが重視されやすいことに加え、鉄骨(フレーム)の状態をロープ越しに確認しやすいためです。

店舗の入口など、外観の印象を重視する軒先なら、巻き込み式が候補になります。理由は、固定部分が目立ちにくく、すっきりとした見た目に仕上がりやすいためです。ただし、費用が上がりやすいことや、鉄骨(フレーム)の状態を外から確認しにくいことも踏まえて検討することが大切です。

店舗入口に設置されたオーニング風の庇のイラスト

風の影響を受けやすい場所では、見た目だけで判断せず、フレームの強度、生地の張り方、固定ピッチ、ロープや金具の状態まで確認する必要があります。

張替え前に確認しておきたいこと

既存と同じ納まりが向いている

  • 今の使い方で問題が無い
  • 既存フレームをそのまま活かしたい
  • 費用を抑えて張り替えたい

納まりの見直しを考えたい場合

  • 店舗入口をすっきり見せたい
  • ロープや固定部分を目立たせたくない
  • フレーム補修も同時に検討している

お問い合わせ時には、正面全体、左右の側面、テントの裏側、ハトメやロープのアップ、フレームやパイプのアップがあると状況を把握しやすくなります。

まとめ

直巻きと巻き込み式は、どちらが正解というものではなく、テントに何を求めるかによって選ぶ固定方法です。

費用や張り替えやすさ、メンテナンス性を重視する場合は、ハトメとロープで固定する直巻きが向いています。
固定部分は見えますが、実用性が高く、店舗テントから大型の上屋テントまで幅広く採用されています。

一方で、外観の印象やすっきりとした仕上がりを重視する場合は、固定部分を内側に納める巻き込み式が候補になります。
店舗の入口やカフェ、飲食店など、見た目の上品さを大切にしたい場所に適した納まりです。

ただし、通路テントや上屋テントのように面積が大きい場合は、見た目だけでなく、風の影響やフレームの形状、張り替え時の作業性も含めて判断することが大切です。
迷ったときは、設置場所の条件や使い方に合わせて、最適な固定方法を選びましょう。